作業場内の段差を、小さなスロープ(坂)にします。
《なぜ》
1)運搬台車を使うと荷物を楽に運搬できます。しかし、通路内に車輪の半径以上の段差があると運搬台車は通行できません。たとえ、それ以下でも乗り越える時に運搬車がゆれて、荷崩れしたり、転倒しやすくなります。
2)人も小さな段差を見落としやすく、つまずくことがあります。
《どのように》
1)数cmの小さな段差は、三角柱状の板を置き、スロープ(緩い坂)にします。
大きな段差は、歩み板等を使用します。そして、傾斜が5~8%程度になるようにします。(スロープの高さと長さの比が1:10~20が目安です。)
2)現状で急な傾斜のスロープは、長くして傾斜を緩くします。
3)スロープの幅は側方へ踏み外さないように、運搬台車の幅以上又は、作業者の肩幅以上にします。
4)スロープの路面は、つまずいたり、滑ったりすることがないか確認します。
転倒する危険性がある場合は、滑り止めテープを貼ったり、スロープの前後に黄色のラインを塗ります。なお、スロープの始めと終わりの部分が段差にならないよう端を面取りしておきます。
5)引き戸の敷居が段差となることがあります。なるべく、敷居のない戸にするか、敷居の上に取り外し可能な渡り板を適宜置きます。
6)通路の脇に手すりを設置します。
《追加のヒント》
1)スロープが長くなる場合は、途中休憩用の踊り場を設けます。
2)高さ1m程度の大きな段差は、腰の高さ付近で物の受け渡しができ、逆に便利なことがあります。この場合は、活用法を検討します。
3)水路の橋、渡り板も同様に足を踏み外さないように幅に余裕をもって設置します。また、充分な強度にします。
引用:農作業現場改善チェックリスト - 農作業安全情報センター
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