2018年7月26日木曜日

掲示物にイラスト素材を利用

改善活動では、危険を知らせたりミスを防いだりするのに、
掲示物や看板をよく見えるように置くことが重要です。
そのような掲示物に、わかりやすく見やすいイラストがあると
作業者の目を引くので効果的です。

ネット上でフリーの(自由に使える)イラスト素材を提供している
いらすとや」というウェブサイトがとても有名です。
特に農業分野で利用しやすいものを紹介します。
そのほか、イラスト素材のウェブサイト
農家の女の子のイラスト(将来の夢)
作業者の目を引くイラストを活用!
農産物紹介のPOPやパンフレットにも。

2020/10/30 更新

2018年7月25日水曜日

機械等の盗難防止

防犯:必須
近年、農業機械の盗難事件が増えています。
機械は高額なので、盗難にあうと経営的に大きな損失となるほか、
機械を使用する作業が当分できなくなってしまいます。

《どのように》
・圃場など屋外に機械を放置しない。
  キーを抜いても安心できません。

・倉庫には必ずカギをかける。
  機械を保管する倉庫や納屋にはカギをかけておきます。

・万一、盗難にあったら警察に通報する。
  通報する時は、必ず「機体番号」も合わせて連絡します。
  JAや農機販売店にも情報提供します。

参考:農業機械盗難被害情報共有システム - 日本農業機械化協会
 盗難被害にあった農業機械情報(型式・車体番号等)を
 農機流通関係者・行政・警察・税関などと共有する仕組み。

引用:農業機械を盗難から守るために - 農業機械盗難防止対策協議会

2020/9/23 更新

2018年7月6日金曜日

運搬作業での腰痛防止

腰痛にならないよう、荷物を体の正面近くに寄せてゆっくりと上げ下げします。

《なぜ》
1)作業位置から遠くにある荷物を取り扱うには腰を曲げたり、ひねったりしなければなりません。
 このような姿勢を持続していると腰痛になる危険性が高くなります。
2)腰を曲げる時に、背中が丸くなっていると腹筋に力が入りにくく、さらに腰椎への負担が大きくなります。

《どのように》
1)作業者の正面で荷物を取り扱えるように資材、機械等を配置します。
2)この時に、体を曲げたり、ひねることのないように、足元の空間を十分に確保します。
3)重量物の運搬作業をなくしたり、複数人数で行います。
4)1人の場合は、荷物を体の正面で、体に近づけながら、ゆっくり取扱います。この時、腹筋に力をいれ背中はまっすぐにして脚の屈伸で荷物を上げ下ろしするようにします。

《追加のヒント》
1)回転テーブルを使用すると奥行きを少なくでき、便利なことがあります。
2)負担の大きい作業を連日行う場合は腰痛予防ベルトを使用します。
3)荷物はなるべく直に床に置かないようにします。
4)複数人数で重量物を運搬します。

引用:農作業現場改善チェックリスト - 農作業安全情報センター

運搬台車やローラコンベヤを使う

労働安全:重要 効率化:重要
運搬台車、コンベヤ等を使うことで、手による資材取扱いを減らします。

《なぜ》
1)たくさんの資材の運搬作業はきつく、疲労がたまったり、腰痛、肩こりの危険性も増します。
2)運搬台車やローラコンベヤを使うと、労働負担を減らし、効率的に作業できます。

《どのように》
1)資材の運搬を運搬台車またはローラコンベヤでできないか検討します。
2)運搬台車に容易に載せられるようにした容器に資材を入れます。(コンテナのように積みかさねできる容器は、より多く、安定して運搬台車に積めます。)
3)作業台やパレットにキャスターを取り付けると、そのものを運搬台車として使用できます。

《追加のヒント》
1)荷台の高さを調節できる運搬台車を使用すると、移しかえが楽にできます。
2)容器の中に資材を固定する緩衝材を入れる、ロープがけ、重心を低くする等の配慮も必要です。
3)安全に運搬するため、通路を平坦で十分な広さにすることも重要です。

ローラコンベヤの上に乗ったり歩いたりする行為は、転倒の原因となるので、
決してしてはいけません。
ヒヤリ・ハット事例:大型ローラーコンベアの上を歩いて転倒し膝を打った

引用:農作業現場改善チェックリスト - 農作業安全情報センター
参考:コンベヤとコンベアどちらが正解? - MONOLIX ※英語は"conveyor"

2020/11/20 更新

モノを持ちやすいよう工夫する

モノを持ちやすいよう工夫します。
(例:取っ手取付け、容器に入れる、中身固定)

《なぜ》
1)荷物をしっかり持てると、取扱いやすくなり、荷物を落す可能性も低くなります。
2)荷物がかさばったり、重心が体から離れた所にあると腕や腰への負担が大きくなります。
3)適当な大きさの取っ手が付いていると、取っ手が手に食い込んだり、余計な握力を使わずにモノを持ち上げられます。

《どのように》
1)箱や容器に手を入れられる穴を開けます。又は、取っ手を付けたり、取っ手のある容器を使用します。
2)取っ手の握り部の大きさは、直径が3cm程度の太さで、長さを15cm以上にします。(手袋をしてもつかみやすい大きさの取っ手が適当です。)
3)荷物の重心がなるべく体の近くになるようにします。スポンジ等の緩衝材をすきまに詰めると重心を固定でき、中身の保護にもなります。
4)容器がなかったり、長い物はヒモでしばります。

《追加のヒント》
1)運搬距離が長くなると、足への負担も大きくなるので、運搬台車を利用します。
2)容器に内容物名等を記入しておくと管理に便利です。
3)苗箱のように取っ手を取付けにくいものは、トビグチのような道具を使って取り扱う方法も検討します。

引用:農作業現場改善チェックリスト - 農作業安全情報センター

重量物は複数個に分割して運ぶ

重量物の1個当たりの重さを軽くするため、複数個に分割します。

《なぜ》
 重い荷物を運ぶことは、もっともいやがられる作業です。
 実際に疲労を早くもたらす上に、腰痛や肩こりの原因になります。
 一方、軽い物では重い物を扱う場合に比べて、疲労が少なく、能率の低下も少なくすみます。

《どのように》
1)重量物を分割できるか検討します。
荷物1個当たりの重さは、体重の40%以下にします。作業者の体力、疲労を考慮してさらに軽くすることも検討します。
2)逆に、小さすぎて持ちにくくなったり、荷崩れしないように荷物を適当な大きさにします。
3)また、抱えやすい容器に入れる、取っ手を付ける、ヒモで縛ると保管にも便利です。
4)運搬台車を使うと、手で抱えるより疲れないで大量に、かつ、長い距離を運搬できます。

《追加のヒント》
1)手に抱えて取り扱う時は、荷物を肩に載せるか、腰の高さ付近で保持すると疲れが少なくてすみます。
2)通路の幅を余裕もって確保したり、路面に凹凸がないようにします。
3)1個当たりの重さを軽くすると取扱い個数が多くなりますが、パレットや運搬台車に一旦載せてしまえば、取扱い回数を減らせます。
4)複数人数で荷物を運搬します。

引用:農作業現場改善チェックリスト - 農作業安全情報センター

2018年7月4日水曜日

IPM(総合的病害虫雑草管理)

IPMとは、"Integrated Pest Management" の略であり、
日本語では「総合的病害虫管理」や「総合的有害生物管理」と訳されます。
参考:IPM - 天敵Wiki

IPMは、害虫、病害、雑草を防除するために、農薬をなるべく使わずに
いろいろな防除技術を利用して栽培することと考えられがちですが、
重要な考え方は「要防除水準以下での病害虫雑草の管理」ということです。
参考:要防除水準 - 天敵Wiki

病害虫・雑草のまん延防止、農薬使用の低減、環境汚染防止だけでなく、
防除に要する作業時間の削減や、農薬等の資材費の削減につながります。
また、国際水準のGAP認証では、IPMの実践が必須項目となっています。

リスクアセスメントの基本手順 にあてはめると、
1.作目、作型、地域ごとに、防除対象になる病害虫・雑草を想定する。
2.被害の程度を考慮し、要防除水準を決める。=リスクの見積り
3.要防除水準以下にするために適切な予防、防除の方法を選択する。
4.病害虫・雑草の予防と、発生程度のモニタリングを行いながら、
 要防除水準を超えそうな時に適切な防除を行い、それを記録する。
5.1~4の手順で、リスクの見積りと改善策の検討・実施を繰り返す。

参考:病害虫防除に関する情報 - 農林水産省
関連:作物病害の伝染防止

2021/08/03 更新

4S活動(整理、整頓、清掃、清潔)

様々な職場で、労働安全衛生、食品衛生、作業効率化のために
整理」「整頓」「清掃」「清潔」の「4S」活動や、
さらに「しつけ」を加えた「5S」が普及しています。
農業現場における改善活動でも、4Sや5Sの活動は基本であり、
経営者も従業員も常に怠らず心がける必要があります。

整理:必要なものとそうでないものを分け、不要なものは捨てる。

整頓:必要なものを決められた場所に置き、すぐに使えるようにする。

清掃:職場、機械、設備をきれいに掃除して、仕事をしやすくする。

清潔:職場、機械、設備や、作業者自身も、きれいな状態を保つ。

しつけ:決めたこと、教わったことを、必ず守るようにする。

参考:
4S(整理、整頓、清掃、清潔)- 職場のあんぜんサイト 厚労省
4S活動 - Wikipedia
5Sで取組む衛生管理(学習動画)- HACCP関連情報 JFIA
5S 整理・整頓・清潔・清掃・しつけのくふう - 絵で見る創意くふう事典

露地野菜の生育・出荷予測システム

持続的で安定した農業経営を行うには、
作物の販売計画、生産計画、さらに作業計画を立てて、
なるべく計画どおりに作業を行うことが重要です。

計画を立てる際に必要なのは、作物の生育を予測することで、
特に作目、作型、圃場ごとの収穫期や収穫量の予測が重要です。

農研機構の野菜花き研究部門を中心とした研究グループは、
レタスやキャベツ等の露地葉物野菜を対象に、
気象データに基づいて生育を予測するシステムを開発しました。

この研究開発の内容やシステムの利用方法について、
詳しくはこちらのウェブサイトをご覧ください。
露地野菜精密出荷予測システム - 農研機構 野菜花き研究部門

キャベツくん
2021/08/02 更新

2018年7月2日月曜日

作業機の保管

効率化:重要 労働安全:重要
作業機は、キャスタ付き台パレットに載せて保管します。

《なぜ》
1)トラクタに装着する作業機は、重く、かさばるので、取扱うのは手間がかかる上に、危険です。(例えば、ロータリで1.5m幅クラスで250kg程度。)
特に3点リンクにピンを差し込むための位置合わせは慣れないと難しいものです。
 また、耕起、代かき時期などは忙しく、着脱の手間を少しでも減らしたいものです。
2)格納庫内の奥に並べた作業機を使用するために他の作業機を移動するのも大変手間です。
3)簡単な移動方法があると安全に取扱いできます。

《どのように》
実施上の要点
キャスタ付き台を活用するために、床を平坦に舗装するか、板やゴムマットを敷くことが必要です。
1)作業機はキャスタ付きの台に載せてロープで固定します。こうすると並べかえや装着時の位置合わせも簡単にできます。
2)作業機をパレットに載せれば、フォークリフトで運搬も可能です。

《追加のヒント》
1)さらに作業機を着脱しやすいよう、3点リンクにクイックヒッチを使用します。
2)作業機用の棚を設置すると、立体的に整理でき空間を有効利用できます。
3)歩行用機械もキャスタ付き台に載せれば移動が簡単です。
4)防除機等のホースカプラの接続手順のメモを作業機にぶら下げておくと、着脱がさらに速くできます。

引用:農作業現場改善チェックリスト - 農作業安全情報センター

2020/10/29 更新

機械の取扱説明書をよく読む

取扱説明書をよく読み、農業機械を使用します。
また、分かりやすい所に保管します。

《なぜ》
1)新しい機械は、従来のものと操作方法が変わっていたり、新しい自動化装置がついていることがあります。
2)また、年に1、2回しか使用しない機械は、点検・整備法、運転操作法を忘れてしまいます。
3)安全のために使用前に取扱説明書を熟読します。また、いざという時のために、分かりやすいところに取扱説明書を保管します。

《どのように》
1)新しい機械の引き渡し時には、販売員から正しい操作方法の説明を受けます。また、少なくとも取扱説明書を最後まで読みます。

2)取扱説明書は、ビニール袋に入れ機械内に入れておくか、携帯工具と一緒に持ち歩くようにします。

3)たまにしか使わない機械は、取扱説明書の基本操作の部分をコピーしたり、紙に抜き書きして、機械にぶら下げておきます。

4)取扱説明書を読みやすい工夫をします。
 例えば、
・必要なページにふせん紙を貼る。
・赤ペンで印をつける。

《追加のヒント》
1)機械を使いやすいように工夫します。
 例えば、
(1)メータなどは通常の調節位置に印をつけます。
(2)ネジの締まった位置が分かるように印をつけます。
(3)点検・整備時期を機械に記入します。
 「次回交換○月○日」「○月○日交換」等々。
(4)燃料のエア抜きキャップは見易いように色をぬります。
(5)耕うん爪等の消耗品は、型紙を作製して、その基準より磨耗したら交換するようにします。
(6)チェーン、ベルトの張り具合の目安を機体に書いておきます。
(7)指の幅、手の長さを覚えておくと、簡単な物差し代わりになります。

2)作業前の打ち合わせの中で機械の危険個所や合図についても確認します。
 また、最低限エンジンの停止方法を共同作業者にも知らせます。

引用:農作業現場改善チェックリスト - 農作業安全情報センター

機械の危険な部分の安全対策

伝達軸、ベルト等危険な部分に安全柵を設置します。

《なぜ》
 一つ一つの機械の安全対策は万全でも、原動機と作業機をつなぐベルトや動力伝達軸の安全カバーはないのが常です。その部分には安全柵を設置する等の対策を検討します。

※毎年、農業機械、施設に関わる農作業事故が多く発生しています。それに対して、年々機械の安全対策も進んできています。
 防止対策の1つとして、より安全な機械を購入することをお勧めします。

《どのように》
1)作業前に、機械の危険箇所を確認し、共同作業者にも知らせます。

2)むき出しの動力伝達ベルト伝達軸の周りに丈夫な安全柵を取り付け、危険を標示します。

3)ベルトやPTOのドライブシャフトにまたがったり、乗り越えたりしないようにします。

4)機械に付いている安全カバー安全装置は取り外さないようにします。

5)機械に巻き込まれない服装にします。
(例:そで口を閉じる、シャツが背中からはみ出ないようにする、長い髪をまとめる、腰手ぬぐいをはずす)

6)購入の際には、価格や性能、新機能に目が行きがちですが、安全性や使いやすさもチェックします。具体的には、なるべく型式検査合格証票、または安全鑑定証票が貼られた機械を購入します。なお、型式検査に合格した機械は、その性能主な装備を型式検査成績表で調べることができます。

 また、下記の部分の使いやすさについてもチェックします。
・燃料の給油口の位置
・乗降ステップの高さ、幅
・バッテリーの取り外しやすさ
・ボンネット、安全カバーの開閉のしやすさ
・メータ、説明文の字の大きさ、用語の分かりやすさ
・エンジンの始動のしやすさ
・騒音の大きさ
・振動の大きさ
・レバー、ペダルの操作力
・掃除口の位置

《追加のヒント》
1)新型の機械は、従来と操作方法が変わっていたり、新しい自動化装置がついていることが多いものです。
 よって、機械の購入時に販売員から正しい操作方法を納得いくまで説明してもらいます。取扱説明書でも確認します。

2)安全な作業方法について検討します。
 (例:トラクタの適切な運転速度は、各自の運転技能により異なります。各自にあった速度を確認しておきます。)

3)組作業での合図を事前に決めておきます。

引用:農作業現場改善チェックリスト - 農作業安全情報センター

農作業安全や作業方法の知識習得

家族で農作業安全や作業方法の知識を習得します。

《なぜ》
1)農業では家族で共同作業することが多く、全員が農作業安全について教育を受ける必要があります。
2)女性オペレータも増え、農作業形態が変化しています。それらに対応して最新の安全対策を検討します。
3)ヒヤリハット体験、農作業安全、労働負担軽減の工夫等を家族で話し合い、安全意識を向上させましょう。

《どのように》
1)各県、農業機械士会、農業者大学校主催の講習会に家族で参加します。

2)研修テキスト、ビデオを元に家族で農作業安全や作業中の危険等について話し合います。

3)新しい機械は、従来のものと操作方法が変わっていたり、新しい自動化装置がついていることが多いので、機械の引き渡し時に、販売員から正しい操作方法の説明を受けます。

4)作業前に、作業の段取りの打ち合わせ、機械の危険箇所等を家族で確認します。

《追加のヒント》
1)栽培方法、農薬の取扱い等専門的なことは、最寄りの普及センター、試験場に問い合わせます。

2)救命処置の講習を消防署に依頼して実施します。

3)近所やSNS等でも情報交換するとよりよいアイデアが見つかることがあります。

引用:農作業現場改善チェックリスト - 農作業安全情報センター

ケガに備えた保護具の使用

打ち身、切り傷等に備えて手袋やヘルメット等保護具を使用します。

《なぜ》
1)打ち身、切り傷等に備えて、ヘルメット保護メガネ耳栓イヤマフ(耳覆い)、手袋カッパすね当て安全靴等の保護具を装着し、安全・快適に作業しましょう。

《どのように》
1)作業にあった保護具を用意します。併せて消耗品も用意します。販売店によっては、在庫がなかったり、納得いく説明が得られないこともあります。詳しくは保護具のメーカに問い合わせます。
2)保護具の装着・使用方法、手入れ方法を取扱説明書等で確認します。
3)紛失しないよう保管場所を決めます。

《追加のヒント》
保護具の選択・使用上の留意点等は、

1)手袋
(1)稲の手こぎ等巻き込まれる危険性がある作業は、手袋、腰手ぬぐいをはずしてから行います。
(2)滑り止め手袋は水に濡れると効果が極端に下がるので注意します。

2)ヘルメット
(1)頭にあったものを使用します。
(2)アゴひもは必ず正しく締めます。
(3)1度でも大きな衝撃を受けたものは、外傷がなくても使用を止め交換します。
(4)改造は危険です。
(5)汚れは薄めた中性洗剤でふき取ります。
(6)投げたり、高いところから落としたり、腰掛けることは破損の原因となりよくありません。
(7)帽体やヘッドバンドが破損、変形、変色したものは新品と交換します。

3)保護メガネ
(1)軽量なものを選択します。
(2)視界、保護範囲が広い物を選びます。
(3)マスクと併用する場合は、呼気や汗で曇らないか確認します。
(4)表面が傷付かないように、汚れは粉塵を先に払い落としてから拭き取ります。
(5)代かき作業のようにドロが大量に附着する場合は、料理用ラップフィルムを数枚貼付けてはがしながら使用します。

4)
 最近は、上半分がゴアテックス素材の長靴が販売されています。従来より高価ですが、蒸れにくく、軽量で小さく折りたためます。
 スニーカ型安全靴は、軽く、靴底が軟らかく、蒸れにくい性質をもっています。また、フォークで足を刺す危険性がある場合は足の甲の保護プロテクターを使用します。
軽作業の場合でも、固めのシリコン製サンダルを着用すると、物を落とした時に足のケガを防止できます。

5)前掛け、その他
 前掛けは機械に巻き込まれた時のために肩ひもがホックで、はずれやすいものもあります。
 保護クリームは農薬用、作物アレルギー用、日焼け防止用があります。

引用:農作業現場改善チェックリスト - 農作業安全情報センター

電気機器や照明器具の漏電防止

労働安全:必須
漏電や火事にならないよう電気機器や照明器具を安全に使用します。

《なぜ》
1)漏電していると感電の危険性があります。特に水を使う場合は、漏電していると直接機械に触らなくても感電する危険性があり、特に注意が必要です。
2)タコ足配線やコンセントの容量を超えて電気器具を使用すると電源コードが発熱して火事になる危険性があります。

《どのように》
1)漏電防止のために、コンセントのアースをとります。また、接地極にアース線を確実に接続します。)漏電ブレーカも接続します。なお、ガス管、硬質ビニール製水道管には接続を避けます。この場合は電気工事士に相談します。

2)コンセント、電源コード、アース線、スイッチボックスの破損、腐蝕、断線等を見つけたらすぐ修理します。

3)車や人が通行する場所をさけて電源コードを配線します。やむを得ず配線する場合は丈夫なカバーで覆います。
 なお、ステップル(小さなコの字形の金具)で電線を固定すると断線しやすいので、フックや両面テープ等別の方法で固定します。

4)点検作業は必ずコンセントを抜いてから行います。
 (待ち受け電源が入っていることがあります。)

5)コードのみを引っ張ってコンセントを抜いたり、コンセントを抜き差しして電源を入/切するとコンセントやプラグを破損するので禁止します。

6)コンセントの容量以内で電気製品を使用します。通常の単相ACのコンセントは1つの接続口当り1000~1500W程度です。消費電力の合計をそれ以内にします。

7)プラグとコンセントを長期間接続したままにすると、ほこりが溜まって絶縁がわるくなり火災の危険性があります。時折コンセントの接続部分を掃除します。

8)ぬれた手は、必ず水をふき取ってからコンセントやスイッチを操作します。また、水を入れた容器は電気製品の上に置かないようにします。

9)燃料や燃えやすいものの近くで電熱器や白熱灯、火花のでるものの使用は止めます。

10)スイッチのヒューズのかわりに針金を使用したり、無理な改造は危険です。

11)屋外に配線する時には電気工事士に工事を依頼します。コンセントは防水箱の中に納めるか、防雨形にします。延長コードにも防雨形を使用します。

12)畜舎内では電線を動物にかじられないないよう金属パイプ等でカバーします。コンバイン、乾燥機の配線はネズミにかじられないように念入りに掃除します。

《追加のヒント》
1)ハンドランプは電球が熱くなります。また、ソケットを持って使用することが多く、やけどや断線の危険性が大きいので、注意して取扱います。

2)消火器は、普通火災、油火災、電気火災に対応した“ABC消火器”を用意します。

引用:農作業現場改善チェックリスト - 農作業安全情報センター

手持ち工具は使いやすいものを

《なぜ》
1)使いにくい工具は、確実に作業できない上に、手が滑ったり挟まれてケガをすることがあり危険です。
2)また、手首を無理に曲げたり、ひねりながら工具を使用していると腱鞘炎になる確率が高くなります。
3)工具は、永年にわたり使用するので使いやすく、丈夫なものを選択します。

《どのように》
1)いろいろな工具があるので、全て満足できるとは限りませんが選択する場合のポイントとして、
(1)ドライバー、スパナ等はサイズがネジやナットにぴったり合う。
(2)適切なグリップ(手の握り)がついている。
(適切な太さ、長さ、形、滑り止め付き、ストッパー付き)
(3)十分な強度がある。
(4)刃物は切れ味が持続する。
(5)ハンマーなどの柄は、手首の曲げやひねりがない状態で作業できる形になっている。(例:ピストル形のグリップ)
(6)整理された道具箱に入っている。
(7)電気工具は、絶縁処理や、アースがとれるようになっている。
(8)ハサミ等のグリップがバネで開くものは、ひんぱんに開閉しても疲れない。

2)適切なグリップの目安として、
〔1本のグリップを手全体で握る工具〕(例:ドライバー)
(1)太さが3~4cm程度。長さが10cm以上。
(2)滑りにくい形状または表面処理済み。

〔2本のグリップを握る工具〕(例:ペンチやハサミ)
(1)グリップの太さが力を入れても痛みを感じない十分な太さ。
(2)開閉する時のグリップ間距離の範囲は、片手で使うもので4cm~10cm。両手で使うもので取り回しやすい長さ。
(3)グリップの長さが13cm以上。
(4)滑りにくい形状または表面処理済み。

3)電動工具は重く手首に負担が大きく、大きな力を発し危険です。よって、工具を両手で保持して使用する、天井からつり下げる、据え付け式のものを使用する等対策を検討します。(例:ハンドドリルとボール盤、ハサミと押し切り)

《追加のヒント》
1)刃が付いている工具は、刃を研ぐ、可動部分(例:ちょうつがい)に注油すると小さな力で操作でき、長持ちします。
2)滑りやすいグリップには、滑り止めテープを巻きます。
3)正しい使用方法も訓練します。例えば、目的外に使用しない。ドライバーは確実にネジみぞに当て使用する等。

引用:農作業現場改善チェックリスト - 農作業安全情報センター

蛍光灯が割れた時の破片飛散防止

食品安全:必須 労働安全:重要

《なぜ》
 天井の蛍光灯が割れることは、普通の状況ではあまり考えられません。しかし、作業場ではさまざまな荷物を運び込むので、蛍光灯に物が当たって発生する可能性がある事故です。
 蛍光灯は雷などの過電圧で割れることもあります。

 蛍光灯に限らず照明や瓶、窓などのガラスが割れると、その破片が異物として農産物や容器に混入してしまう可能性があります。

 ガラスの破片が飛び散ると、作業をする人がケガをする可能性があります。

《どのように》
 作業場などの照明は、保護カバーをかけるか、飛散防止の加工がされたランプを使用します。

 作業場でガラスが割れた時にすぐに片付けられるように、ほうき、ちりとり、ゴミ袋、掃除機などを近くに用意しておきます。

《追加のヒント》
 雪国などでは、雪の重みでガラス戸が割れて農産物を入れる容器に混入したという事例もあります。

※GAP認証における審査では、よく指摘される項目です。
ただし、蛍光灯などの破損や農産物への異物混入のリスクを考えて、
リスクが少ない場所については対策に神経質になる必要はありません。

参考:食品の安全を確保する - これから始めるGAP - 農林水産省
関連データ:作業しやすくする照明の工夫

職場のパワーハラスメントの防止

労働安全:必須 防犯:必須(被害者・加害者にならないために)

職場のパワーハラスメント(パワハラ)とは
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」(厚生労働省の定義)

 健康的で雰囲気がよくみんなが働きやすい職場にするために、
パワハラなどのハラスメントは絶対に見逃さず防止しなくてはいけません。

職場のハラスメントの事例や対策については、こちらが参考になります。
 あかるい職場応援団 職場のハラスメント対策 - 厚生労働省

また、外国人技能実習生の受け入れには、十分な配慮が不可欠です。
農場で働く労働者全員の人権が尊重され、差別のない労働環境にする必要があります。

 外国人との関係が悪化する原因の例
  • 労働が過酷だった(残業が多いなど)
  • 寮の環境がひどかった
  • 食事が合わなかった
  • パワーハラスメントがあった
  • 宗教的なことで差別を受けた
  • 日本人の実習生との待遇に差があった
関連データ:外国人労働者の安全衛生対策

従業員の出勤シフト表

出勤シフト表 - 阿部梨園の知恵袋

雇用経営では必須。他産業では当たり前。

できれば、圃場ごとに作物の生育予測を行うことで、
各時期の作業に応じて必要人員を確保するようにします。
特に、収穫作業での人員の割り振りは重要です。

※追記予定。

作業環境の寒さ対策

労働安全: 必須 寒い季節には、室内を 暖房 するか、 温かい服装 で作業します。 《なぜ》 1)冬の剪定作業や、保冷庫内での作業のように寒い環境で作業していると、手足や体が冷え、作業の能率が低下したり、動きがぎこちなくなったりします。腰痛や関節痛の経歴のある方は痛むことが...